映画『遺言~原発さえなければ』取材報告 〜3・11からの3年間のスライドトーク
2011年3月11日の東日本大震災の翌日から福島に取材に入って3年間になる。原発事故発生当初は10日程前までチェルノブイリ原発事故後25年の現地取材から帰ってきたばかりだったこともあり、最低でも四半世紀の記録を自分に課して。
しかし、事故は日本で起こったのであり、私は一取材者の立場にとどまれるものではないことも気づいていたつもりだ。福島原発の電気を使用する消費者であり、また原発を押し付けた側の東京都民であり、また、劣化ウラン弾問題などを取材してきた経緯から、放射能の危険性について多少なりとも公に発表もしてたのだから。
それでも、過酷事故と、その放射能汚染と、大震災、大津波などの複合した福島で起こっている事態の大きさと、解決までの時間の長さを思うと、自分にできることのあまりに小さく少ないことも自覚せざるを得なかった。だから、自分が記録したものは全体のほんの一部でしかないことにも、当初から気づいていた。そのことの自覚のなかで、自分にしかできないものをと考えて、これまでの書籍での出版という表現に加えて映画という形にした。映像に写っているものは事実の積み重ねだが、そこに家族や地域の人々、あるいは友人との愛情や友情が、まぎれもなくあったからである。原発事故が奪ったものは、土地だけではないことを、映画から知っていただけるし、同時にその奪われた地域社会を、取り戻そうとする人間の愛情や友情のたくましさや美しさも感じてもらえるだろうと思ったからだ。
その意図が成功しているか、否かは映画『遺言~原発さえなければ』をご覧になって頂くしかない。このスライドトークでは、との取材過程で思ったこと、気づいたことをお話できればと考えている。
イベントの開催概要
日 時 2014年 2月28日(金) 18:45〜21:00(開場18:15)
会 場 大竹財団会議室(東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル11階)
交 通 JR東京駅八重洲中央口徒歩4分(八重洲地下街24番出口すぐ)
東京メトロ京橋駅7出口徒歩3分
東京メトロ日本橋駅B3出口徒歩4分
講 師 豊田直巳さん(フォトジャーナリスト)
参加費 一般=500円/学生、大竹財団会員=無料
対 象 一般(どなたでも参加可能です)
定 員 30名(予約優先)
主 催 一般財団法人大竹財団