「地球号の危機ニュースレター」532号(2024年10月号)を発行しました。

北海道北部に風力発電が急増 石狩湾洋上と合わせ県別トップへ

樺岡ウインドファーム

樺岡ウインドファーム © 井田均

北海道北部に大型風力発電

 北海道の北の端、稚内市。この周辺に大規模風力発電所が続々と誕生しているという。稼働開始時期の順に見て行こう。

【上勇知ウインドファーム】

 先ず稚内駅からJR宗谷本線に乗って2つ目の駅、抜海駅。ここの東1~2kmに「上勇知ウインドファーム」がある。米国のゼネラルエレクリリック社製の4300kW機を12基、稚内市の抜海村の国有林内に今年2023年の4月から稼働開始している。

 4300kWが12基だから発電能力は5万1600kWだが、出力制御のパークコントロールシステムにより49400kWに制限している。

【浜里ウインドファーム】

 次の稼働開始は2023年5月26日の浜里ウインドファームと川南ウインドファームだ。いずれもユーラスエナジーホールディングスが建設した。

  「浜里」の方から見よう。浜里は北部北海道の風車地帯の中では南の方に位置する。スペインのシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジー社の4300kW機を19基使っている。発電能力は8万1700kWになるが、出力制御で8万kWに抑えている。

【川南ウインドファーム】

 「川南」の方はもっと北の方にある。稚内市と豊富町にまたがっている。ここも浜里ウインドファームと同じシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジー製の4300kW機を19基使い、発電能力は8万1700kWだが出力抑制で8万kWに抑制しているのも同様だ。

今後稼働開始する風力発電所

 次からは取材した時点では未稼働だが建設中だったもの。

【芦川ウインドファーム】

 これはこの地域に建設される大型ウインドファームの中で最大の規模を誇る。スペインのシーメンス・ガメサ・リニューアブルエナジ-社製の4300kW機を何と31基も建設している。発電能力は12万8800kWにも上る。この芦川ウインドファームも実際に近くから撮影出来たので、そこも読んでほしい。

【川西ウインドファーム】

 JR勇知駅のほぼ真東数kmの所、稚内市と豊富町にまたがる所に位置する。スペインのシーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー社が製造した4300kW機を15基建設中。これは筆者が実際に撮影に行ったので、そこで描写したい。

【樺岡ウインドファーム】

 この発電風車群は、来年2024年7月からの稼働開始を目指して稚内市内に建設中だ。私が到着した稚内空港の南数kmにある。米国のゼネラル・エレクトリック社が製造した4200kW機を10基の設置をほぼ終えている。これも稚内空港の到着後に現地取材しているので、そちらも見て欲しい。

【勇知ウインドファーム】

 これら北海道北部に建設される発電風車群の中では北東部に位置する。米国ゼネラル・エレクトリック社製造の4200kW機を18基並べる。ユーラスエナジーが建設する。再来年の2025年7月の稼働開始を目指している。

発電所名発電開始年月発電能力風車メーカー
① 上勇知W.F.2023年4月49400kWシーメンス社
② 浜里W.F.2023年5月47500kWGE社
③ 川南W.F.2023年5月80000kWシーメンス社
④ W.F.豊富2023年5月30000kWGE社
⑤ 芦川W.F.2024年4月128800kWシーメンス社
⑥ 川西W.F.2024年4月64000kWGE社
⑦ 樺岡W.F.2024年7月42000kWシーメンス社
⑧勇知W.F.2025年7月72200kWGE社
北海道には石狩新港洋上風力発電所:2023年12月に発電開始の11万2000kWもある
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