「地球号の危機ニュースレター」533号(2024年11月号)を発行しました。

北海道北部に風力発電が急増 石狩湾洋上と合わせ県別トップへ

樺岡ウインドファーム

樺岡ウインドファーム © 井田均

稚内到着後にまず樺岡W.F.へ

 8月27日に東京・羽田を全日空機で発ち稚内空港へ。昼過ぎに到着、タクシー乗り場へ移動した。空港の数km南に樺岡W.F.の建設地がある。来年の4月稼働を目指して建設工事は最終段階を迎えている。

 運転手に「樺岡W.F.へ行ってください」と言うとすぐに理解し出発。初めは、樺岡W.F.の西側の道路を南下したが、手前の小高い丘がジャマして風車群の良い写真が撮れなかった。少し戻ってもらい、東側の道路を下った。

 やや遠くではあったが、稼働開始まであと8ヵ月に迫って全てのブレードを装着済みの樺岡ウインドファームの勇姿が見えた。やはり羽根は回っていなかった。

 風力発電の建設大手のユーラスエナジーが建設している。

 帰路、まず運転手から不吉な情報が聞かれた。何でもJR宗谷本線が不通なのだという。ここ稚内は好天だが、もっと南の地点には豪雨が降り線路が破壊され今のところ列車は走っていないという。

 次に、明日は南へ下がって各種の風力発電所を訪問するつもりであることを運転手に伝えた。同じ会社に予約していることも。

 運転手は携帯を操作し、「明日の運転手は○○ですね」と言った。

 私はその言い方に何か暗い不安のような雰囲気があるのを感じた。翌日、この不安が現実のものになったのだが・・・。

ルート間違う運転手

 稚内駅近くのホテルに一泊。翌朝、8時過ぎにホテルのフロントにJR宗谷本線が運行しているか確認した。フロントマンはパソコンを操作した。眉間にシワを寄せて、「まだ不通のようです」と言う。

 困ってしまった。私は東京を出る前、稚内のタクシー会社に電話で「JR宗谷本線の勇知駅に列車が着く10時54分に迎えに来てほしい」と予約していたのだ。JRも北海道の北の端では、乗客に冷たい時刻表しか作っていない。宗谷本線は1日に片道4本の列車しか走らせていないのだ。いやそういう事ではない。「不通」なのだ。勇知駅へ行けないではないか。

 あわてて稚内市内の予約していたタクシー会社に電話した。JR勇知駅へ、ではなく稚内市内のこのホテルに、10時に来てほしい、と伝えた。

 約束の時刻よりも10分程早くタクシーは来た。乗車した後、ノートに貼った地図を見せながら「まずこの川西ウインドファームへ行って、その後この北豊富変電所へ行って下さい」と伝えた。

 タクシーは発車。すぐにも北の方向へ向かうと思っていたが、車は海岸っぺりを東の方に進んだ。最後は稚内空港のすぐ近くまで行って、そこから右折、南下を始めた。川西ウインドファームだけに行くならこれでも良い。だがその後、北豊富変電所へも行きたいのだから、ちょっとまずいのではないか、と思った。車は次第に細い道に入っていく。  

 それをもっと早く言うべきだったが、口にしたのは、川西ウインドファームが真右に見える地点に至った時だった。タクシーはUターン。しばらく走って、どうにか川西ウインドファームの左側、すなわち西側を走る道路に出た。

 北豊富変電所に行くのは困難を伴う。うっかりすると広い走りやすい道路を走行してしまい遠回りになる。それでコンタクトを取っていた北豊富変電所にある北海道北部風力送電の吉村知己社長は、私に地図と注意点を記した文をメールで送付していた。 それをプリントしたものを運転手に見せていた。それを読んでいたにも拘らず運転手は間違った広い道路に入ってしまった。幸いなことに数km行った所で気づき戻った。

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