映画『プラスチック・チャイナ』
世界中から輸入したプラスチックのゴミをリサイクルする中国の小さな家族経営の町工場の日々。そこで働く父親と暮らす少女イージエは、幼い妹や弟の世話をしながら、工場の仕事を手伝って暮らしています。イージエは学校へ行く夢を抱いていますが、飲んだくれの父親は、許してくれません。学校へ通わせる金はないというのです。仕方なく、ゴミ山から見つけてきた雑誌や広告を教科書代わりに、言葉を学ぼうとするイージエ。
一方、雇い主のクンは、農村出身で、生きていくためにできることは工場を必死で営むしかないと嘆きます。一人息子をようやく学校へ通わせることができましたが、今度は衝動的に買った車で莫大なローンを背負うことになりました。いつまで学校へ通わせることができるのでしょうか…。
黒煙を上げ、野焼きされる廃棄物。有害物質が漂うゴミ山で子どもたちは1日中遊んでいます。経済発展を遂げた中国社会の貧困層の暮らしをみつめる衝撃的ドキュメンタリー。
中国政府は、プラスチック・ゴミの世界的な輸入大国でしたが、2017年末それらの輸入を禁止しました。このドキュメンタリー映画が中国社会に与えた影響によると言われています。それによって、日本国内で廃棄されたプラスチック・ゴミの保管量が増加するなど、日本にも影響を与えています。つまり、日本は自国の廃棄物の処理を中国の貧困層に依存していたことになります。
さらに、そこで働く人々の健康をも蝕んでいます。こうした現実は、日本国内でもあまり知られていません。早急に使い捨てプラスチックの段階的廃止を打ち出したフランスや台湾に比べ、日本は無策と批判されても仕方がない状況です。 アジアの未来を考える時、国内だけに目を向けていては、根本的な問題解決にはなりません。社会問題は、国、地方、企業、家族、そしてひとり一人の人間の小さな心がけや思いやり、気づかいが社会を変えていく力になるのです。
参考 映画『プラスチック・チャイナ』アジアンドキュメンタリーズ
イベントの開催概要
日 時 2019年12月12日(木) 19:00〜20:30(開場18:30)
会 場 大竹財団会議室(東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル11階)
交 通 JR東京駅八重洲中央口徒歩4分(八重洲地下街24番出口すぐ)
東京メトロ京橋駅7出口徒歩3分
東京メトロ日本橋駅B3出口徒歩4分
参加費 一般=500円/ 学生、大竹財団会員=無料
対 象 一般(どなたでも参加可能です)
定 員 30名(要予約)
主 催 一般財団法人大竹財団
チラシ 20191212flyer