どうすればよかったか?
面倒見がよく、絵がうまくて優秀な8歳ちがいの姉。両親の影響から医師を志し、医学部に進学した彼女がある日突然、事実とは思えないことを叫び出した。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母はそれを認めず、精神科の受診から姉を遠ざけた。その判断に疑問を感じた弟の藤野知明(監督)は、両親に説得を試みるも解決には至らず、わだかまりを抱えながら実家を離れた。
このままでは何も残らない——姉が発症したと思われる日から18年後、映像制作を学んだ藤野は帰省ごとに家族の姿を記録しはじめる。一家そろっての外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親の話に耳を傾け、姉に声をかけつづけるが、状況はますます悪化。両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになり……。
20年にわたってカメラを通して家族との対話を重ね、社会から隔たれた家の中と姉の姿を記録した本作。“どうすればよかったか?” 正解のない問いはスクリーンを越え、私たちの奥底に容赦なく響きつづける。
イベントの開催概要
| 日 時 | 2025年 11月 11日(火) 19:00〜20:50(開場18:30) |
| 会 場 | 大竹財団会議室 東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル11階 八重洲地下街24番出口・右階段すぐ |
| 交 通 | 京橋駅 日本橋駅 |
| 参加費 | 一般=500円 学生=無料 |
| 対 象 | 一般(どなたでも参加可能です) |
| 定 員 | 24名 要予約 |
| 主 催 | 一般財団法人大竹財団 |

© 2024動画工房ぞうしま

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上映会後の感想
《映画の感想》
近代以前にあった座敷牢を思わせるような虐待や人権侵害が、現代的かつインテリな家庭で粛々と進行していたことに衝撃を受けた。親子という圧倒的な上下関係・支配関係の中で、家族4人がほぼ外部をシャットアウトした状態で、ひとりの人格・人生を破壊した。家父長制の社会では、父親のいうことは絶対的なので、こうしたことはよくあったのかもしれない。しかし、現代においても、この惨状。究極的には、社会問題なのではないかと思わざるを得ない。犠牲になった姉は、わたしとほぼ同年代。1970~90年代の若いころに、日本の自由を謳歌できなかったなんて、痛ましい。
《もっとも印象に残ったシーン》
父親が娘に向かって、「ある意味充実した人生だった」と言った場面。父親としては、ずっと最期まで、寝る場所と食べるものに不自由をさせなかったという自負があるのではないか。人間は、どこまで残酷で、哀しい生き物なのか。
《映画の感想》
見終わった後、何日も長く咀嚼してしまう映画でした。統合失調症の映画ではなく「家族」の映画という視点で観てほしいというお話には納得です。親にとって子どもの幸せとは何か。正常といいつつ娘を家に軟禁する矛盾。どこまでが愛情でどこまでが世間体なのか。家族、兄弟姉妹として、個人を尊重しつつ介入すべきところと他者として向き合うべき部分。昭和の家父長制が時代とともにだんだん変わってきているがまだまだ保守的な家は多いんでしょうね。いろんなことを考えされられました。
《もっとも印象に残ったシーン》
お姉さんが亡くなった後、お父さんが「ある意味で充実した人生だった」と言ったシーン。精神を病んだのはお姉さんだけじゃなく家族全員だったし、第三者に助けを求めたり、この家族をありのまま包摂できない日本社会にも問題あるよね。
《映画の感想》
どうすればよかったか。弟として両親に抗いどんなことをしてでも精神科に連れて行くべきだった。それ以外にないでしょう。けど、お姉さんは亡くなった今、いまさらそれ聞いてどうするんのよ!っていう問い。タイトル自体がこの監督の後ろ向きでネガティブな感じがすごく出ている気がしてちょっと嫌です。正直この監督とは友だちになれそうにない気がしました。
《もっとも印象に残ったシーン》
映画にする許可をしたシーン。それはあっさり承諾するってこのお父さんの判断基準がもう意味わからん!!
《映画の感想》
それぞれの家庭にはいろいろな事情がありますが、精神的に病んだ人がいるのも、つらく大変な環境にあることをリアルにお感じることができた。
《映画の感想》
開始から大半の会話が聞き取れなくて嫌気がさした。終盤になってようやく会話が伝わってきた。演出なしだから仕方がないのかもしれないが、前半にはもう少しナレーション(解説)があっても良いのではと思う。お金持ちで裕福な生活を見せつけられた(全くの個人的なひがみ根性です)。見栄と世間体に縛られているのだとしか思えない。
《もっとも印象に残ったシーン》
Vサインして片足立ちするお姉さんのポーズ。ようやく解放されたね!


