『香港革命2019』
2019年、香港の犯罪者を中国本土に引き渡す法案が提出されたことで、香港の人々は蜂起した。中国への引き渡し反対を叫び、約200万人がデモ行進に参加。香港で史上最大規模のデモとなる。香港がイギリスから中国に返還されて22年となる7月1日、デモ隊は香港の国会である立法会の庁舎を襲撃した。香港では、今や公然と多くの市民が政府に反旗を翻している。それは若者だけではない。シニア世代のデモや、街の弁護士団による抗議運動、医療事業者や公務員によるストライキ。香港社会が一丸となってこの抗議運動に参加しているのだ。「共産党の支配下で生きるのは息がつまる。自由もなく、人権を含めすべての権利が剥奪される。そんな国で生きるくらいなら、死んだほうがましだ」。これがデモに参加する香港市民の切実な声だ。徐々に自由が奪われつつあることへの恐れと不満が、彼らを闘争に走らせている。
「平和的デモは無効だと、あなたたちに教わった」
「香港は僕たちの故郷です。自由のため闘うのが僕の使命。命尽きるまであきらめません」。デモに参加する若者たちは、ためらうことなく中国と戦う覚悟を語ります。それは、民主主義と自由のためならどんな手段もいとわないという強い決意です。香港を乗っ取ろうとしている中国共産党に全力で抵抗するというのです。無謀ともいえる彼らの活動は、しかし香港の多くの市民から支持を得て、大きな力を持ち始めています。ネットでつながる彼らは暗号化されたアプリを巧みに駆使して、デモを組織しています。人権が踏みにじられ、リーダーが投獄されても、彼らは前進し続けています。「捕まるのは怖くない?」という問いに、活動家のメンバーは平然と答えます。「自由を奪われることのほうが怖いです。中国に支配され自由を失うことのほうが」。彼らは、中国に服従する以外の生き方を選ぼうとしています。そして香港での運動が、中国全土へ影響を与えることを望んでいます。
参考 『香港革命2019』日本公式サイトアジアンドキュメンタリーズ
『ケージで暮らす人々』
香港は、市場原理によって金持ちが異様なほど裕福になった街だ。20㎡のアパートが、約630万香港ドル、日本円で8千700万円以上の価格で売買されている現状は、格差社会をますます深刻化している。香港政府は、貧困層の生活向上を約束したにもかかわらず、むしろ貧困者の数は増加し続け、今や5人に1人が貧困ラインの月4200香港ドル(約54600円)に満たない収入で生活している。ケージのような狭い場所で、極限の生活を送っている人は20万人に上るといわれている。現在、家計を圧迫する家賃と食品価格の上昇が、多くの香港市民を苦しめているという。このような極度の格差社会と、富裕層が権力を持つ香港社会の実態は、民主社会と大きくかけ離れている。香港の住宅事情は、民主化運動に火がつく市民の大きな不満の根本的な原因のひとつと言えるだろう。
利権にたかる中国に忠実な香港の富裕層たち
中国は「一国二制度」を通じて、香港の政治的独立と自由選挙を2047年まで約束しています。しかし中国政府は、その約束を誠実に守っているとはいえません。現在、議会の一部は市民によって選ばれていますが、政府と行政長官を選任するのは特別評議会で、メンバーの多くは中国政府に忠実な香港の富裕層、実業家たちです。中国政府や香港政府は、香港財界の利益を重視するあまり、市民生活の利益を犠牲にする経済政策を取り続けています。そうした失策が、香港と中国の対立はもとより、香港社会での対立をも生み出しているのです。もはや、中流家庭の大半にとって香港で家を持つことは、ほぼ不可能な状況に陥っています。そうした事態が、若者だけでなく香港市民全体に政治不信を広めているのです。こうした香港の現状からは、香港だけに限らず、中国の政治制度そのものがカネと利権によって支えられていると見ることもできるのではないでしょうか。
参考 『ケージで暮らす人々』日本公式サイトアジアンドキュメンタリーズ
【新型コロナウイルス感染防止対策とお願い】
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- 状況により開催中止となる場合もございます。大竹財団ホームページをご確認ください。
イベントの開催概要
日 時 2020年 11月19日(木) 19:00〜20:20(開場18:30)
会 場 大竹財団会議室(東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル11階)
交 通 JR東京駅八重洲中央口徒歩4分(八重洲地下街24番出口すぐ)
東京メトロ京橋駅7出口徒歩3分
東京メトロ日本橋駅B3出口徒歩4分
参加費 一般=500円/ 学生、大竹財団会員=無料
対 象 一般(どなたでも参加可能です)
定 員 15名(要予約)
主 催 一般財団法人大竹財団
チラシ 20201119flyer