「地球号の危機ニュースレター」526号(2024年4月号)を発行しました。

能登地震:ボランティア初動の課題

テレビで映像が何度も流れた被害が大きかった場所。何とか車が通れるまで復旧されていた © 岡部一明

テレビで映像が何度も流れた被害が大きかった場所。何とか車が通れるまで復旧されていた © 岡部一明

流木を探すおじいさん

 物体の散乱するその浜で、一人のおじいさんが何かを集めていた(いや、私もおじいさんなのだが)。津波はすごかったですねえ、と話しかけたら、これは津波ではないと言う。海流の関係でこの辺にゴミがたまり、風で乗り上げてくるのだ、と。この浜で育ち、昔から流木を集める趣味があったという。きょうもいろいろ面白い流木を見つけた。「ほら、この流木はまるで鷹のように見えるだろ」と流木を見せる。なるほど、鋭い目の鷹の頭部そっくりだ。

 老人はあの地震のときも浜で流木集めをしていたという。そろそろ切り上げて帰ろうと川べりを上り始めた時、4時10分の揺れが襲った。津波は能登半島の東側が中心で、幸い羽咋の浜はあまり影響がなかったらしい。震源がもう少し半島西海域に寄っていたら、このおじいさんはあぶなかったかも知れない。

羽咋市。外見からは深刻な被害を受けたようには見えないが、特に川や海沿いの住宅街で液状化とみられる被害(割れ目や段差)が確認できた © 岡部一明
羽咋市。外見からは深刻な被害を受けたようには見えないが、特に川や海沿いの住宅街で液状化とみられる被害(割れ目や段差)が確認できた © 岡部一明
羽咋付近の高速道路「のと里山海道」(E86、県道60号線)の状況(1月17日午前11時頃)。右側が能登方向に向かう © 岡部一明
羽咋付近の高速道路「のと里山海道」(E86、県道60号線)の状況(1月17日午前11時頃)。右側が能登方向に向かう © 岡部一明
羽咋の海岸(千里浜)から北方向を望む。志賀町は突き出た半島の向こう側。浜には大量のゴミが打ち上げられている。この千里浜は「なぎさドライブウェイ」とも言われ、砂が締まって固く、車やバスも走行できるという。写真ではほぼ見えないが、老人が流木探しをしていた © 岡部一明
羽咋の海岸(千里浜)から北方向を望む。志賀町は突き出た半島の向こう側。浜には大量のゴミが打ち上げられている。この千里浜は「なぎさドライブウェイ」とも言われ、砂が締まって固く、車やバスも走行できるという。写真ではほぼ見えないが、老人が流木探しをしていた © 岡部一明
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