「地球号の危機ニュースレター」533号(2024年11月号)を発行しました。

12月10日(火)「骨を掘る男」上映会

骨を掘る男

©️Okuma Katsuya, Moolin Production, Dynamo Production

骨を掘る男

ガマフヤー 具志堅隆松
70歳。なぜ40年も沖縄を掘り続けるのか?

沖縄戦の戦没者の遺骨を40年以上にわたり収集し続けてきた具志堅隆松。これまでに、およそ400柱を探し出した。彼は自らを“ガマフヤー”と呼ぶ。ガマは沖縄の自然壕、フヤーとは掘る人という意味だ。砕けて散乱した小さな骨、茶碗のひとかけら、手榴弾の破片、火炎放射の跡…。拾い集めた断片から、兵隊か民間人か、どのような最期をとげたか推察し、想いを馳せ、弔う。掘ってみるまで、そこに本当に骨が埋まっているかどうかはわからない —— それでも掘りつづける行為を具志堅は、観念的な慰霊ではなく「行動的慰霊」だと言う。

沖縄本島には激戦地だった南部を中心に、今も3000柱近くの遺骨が眠っているとされる。沖縄の人びとや旧日本軍兵士のものだけではない。米軍兵士、朝鮮半島や台湾出身者たちの骨を含んだ島の土砂が辺野古新基地のための埋め立て工事に使われようとしている。

出逢ったことのない人の死を悼むことはできるのか?

監督の奥間勝也もまた沖縄戦で大叔母を亡くした戦没者遺族である。しかし、生まれるはるか以前に亡くなった大叔母とは会ったことがない。具志堅の遺骨収集に同行し、沖縄戦の膨大なアーカイブ映像に目を凝らし、大叔母の生きた痕跡を探す奥間は、繰り返しこう自問する。「出逢ったことのない人の死を悼むことはできるのか?」 その問いはやがて「平和の礎」に刻銘された24万の名を読み上げるいくつもの〈声〉と共鳴し、戦火と分断の時代を生きる私たちを震わせる。

どうすれば遠く離れた人の痛みとともにあることができるのか? 新進気鋭の映画作家が生まれ育った沖縄の歴史と今を見つめた次なる世代のドキュメンタリー。

監督・撮影・編集:奥間勝也/整音:川上拓也/カラリスト:田巻源太/音楽:吉濱翔/共同製作:ムーリンプロダクション、Dynamo Production/製作:カムトト/配給:東風/2024/日本・フランス/115分/©️Okuma Katsuya, Moolin Production, Dynamo Production

参考 映画『骨を掘る男』公式ホームページ


イベントの開催概要

 日 時 2024 1210(火)
19:00〜21:00(開場18:30)
会 場 大竹財団会議室
東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル11階
八重洲地下街24番出口・右階段すぐ
交 通 JR東日本 東京駅 八重洲中央口徒歩4分
京橋駅 銀座線京橋駅 G10 7出口徒歩3分
日本橋駅 東西線日本橋駅 T10銀座線日本橋駅 G11 B3出口徒歩4分
参加費 一般=500円
学生=無料
対 象 一般(どなたでも参加可能です)
定 員 22名 要予約
主 催 一般財団法人大竹財団


骨を掘る男

©️Okuma Katsuya, Moolin Production, Dynamo Production

骨を掘る男

©️Okuma Katsuya, Moolin Production, Dynamo Production