岡部 一明
昨年の6~8月、モルドバの首都キシナウに居た。ウクライナの周辺、ポーランドあたりで長居をしようと思ったのだが、どうも物価が高い(ヨーロッパの基準では安いが私の基準では高い)。安く滞在できるところを探して白羽の矢が立ったのがモルドバだった。ブダペストまで来ていたのだが、急遽東進してモルドバの首都キシナウに行った。なるほど安い。宿代は最終的に1泊1300円になった。月4万円だ。日本に居ても家賃4万円程度で暮らしている人は多いだろう。シャワートイレはもちろん、簡易キッチン、冷蔵庫、洗濯機まで付いている。
人口70万の小都市キシナウの郊外のアパート・ホテル。外に出ると、さわやかな風が吹いている。モルドバは天気がいい。毎日晴れだ。夕立の予報があってもほとんど降らない。乾燥しているので木陰に入れば暑さはさほど気にならない。そしてこの風だ。大陸性の気候で、大地に常に風が吹きわたる。
天気図・レーダー図を見ると、西からやってくる雲が、バルカンの山やルーマニアのカルパチア山脈に遮られて、その東側が快晴になる。バルカン諸国では、常に雲が出てどんよりとしていたが、こちらは別世界だ。こんな天気がすぐ東隣のウクライナにも続いているのだろう。いや、その先のロシアも中央アジアも同じかも知れない。