10月7日(火)「デリカド」上映会

デリカド

© 2022 DELIKADO LLC

デリカド

“最後の秘境”を守る環境警備隊による命懸けの闘い

フィリピンの「世界で最も美しい島」パラワン島は“最後の秘境”、“最後の生態系フロンティア”として名高く、手つかずの自然やコバルトブルーに輝く海を求めて世界中から観光客やダイバーが訪れるアジア屈指のリゾートだ。しかし、一見のどかな熱帯の島に見えるパラワン島では、違法伐採や違法漁業が横行している。この雄大な生態系を守るため、地元の環境保護団体を束ねるパラワンNGOネットワーク(PNNI)が立ち上がった。環境警備隊である彼らの闘いは戦争に近い。違法伐採者はライフルで武装しており、命を落とすメンバーが後を絶たないのだ。人類は「6度目の大絶滅」や気候変動の危機に直面しているが、この島は開発によって急速に生物多様性が失われている最前線になっている。

リゾートを訪れる私たちに決して無関係ではない問題

PNNIの代表ボビーは環境弁護士としてタタ、ニエヴェスらのメンバーと共に、パラワン島の生態系を“経済発展”のために破壊しようとする腐敗した政治家や実業家を相手に命がけの闘いを挑む。チェーンソーの音を頼りに森を進み、違法伐採者から押収したチェーンソーは700台に上り、それらは事務所前にクリスマスツリーのように積み上げられている。また、事務所の敷地内は違法に木材を積んでいた船やトラックを展示した博物館でもある。ボビーは、パラワン島を守るためエコツーリズムの推進を掲げる候補者の町⾧再選に協力するが、2人は時のドゥテルテ大統領に殺害予告を受ける。果たして彼らは“最後の秘境”を守ることができるのだろうか──。

監督:カール・マルクーナス/製作総指揮:ジョディ・アレン、ビーディー・フィンジー、サパナ・バシン、アレクサンドラ・ジョーンズ、ジム・バターワース、 他/プロデューサー:マーティ・シジュコ、マイケル・コリンズ、カラ・マグサノック・アリッパラ、カール・マルクーナス/撮影監督:トム・バニガン 編集:マイケル・コリンズ、エリック・ダニエル・メッツガー/音楽:ナイニータ・デサイ/登場人物:ロバート・チャン、ニエヴェス・ロセント、エフレン・バラダレス、ルベン・アルザガ、ロドリゴ・ドゥテルテ/制作:THOUGHTFUL ROBOT  PRODUCTIONS 共同制作:ITVS & POV/配給:ユナイテッドピープル/94分/米国・フィリピン・英国・オーストラリア・香港/2022年/© 2022 DELIKADO LLC

参考 映画『デリカド』公式ホームページ


イベントの開催概要

 日 時 2025 107(火)
19:00〜20:40(開場18:30)
会 場 大竹財団会議室
東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル11階
八重洲地下街24番出口・右階段すぐ
交 通 JR東日本 東京駅 八重洲中央口徒歩4分
京橋駅 銀座線京橋駅 G10 7出口徒歩3分
日本橋駅 東西線日本橋駅 T10銀座線日本橋駅 G11 B3出口徒歩4分
参加費 一般=500円
学生=無料
対 象 一般(どなたでも参加可能です)
定 員 22名 要予約
主 催 一般財団法人大竹財団


デリカド

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デリカド

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上映会後の感想

大竹財団
Average rating:  
 9 reviews
 by れい

《映画の感想》


リゾート開発の裏で政治家と業者が癒着して、という話はどこの国でもあることかもしれませんが、まさか環境保護活動の現場がこんなに危険な状況になっているとはまったく想像もしていませんでした。映画に出てきた違法伐採の人たちは末端のチェーンソー作業員だけが捕まっていて、まるで特殊詐欺グループで使い捨てにされる掛け子のようにも見えました。違法伐採の作業員を思いやり優しく話しかけるタタさんが印象的でした。


 


《もっとも印象に残ったシーン》


脅迫され身の危険を感じたエルニドのロセント町長が拳銃の使い方を教わっているシーン。あとで調べてみたらフィリピンでは容易に銃を所持することができることを知りました。麻薬だけでなく銃社会でもあるフィリピン。ドゥテルテの麻薬戦争が現地の人たちからは歓迎された理由、最悪の治安状況という絶望的な環境に改めて驚かされました。

 by きみちゃん

《映画の感想》


自らの地域の自然環境、熱帯森林を護るための団体の活動に脱帽です。州知事や大統領の利権を守るための政治的な迫害を受けながら、それを押しのけていく姿は感動的でした。ドゥテルテ大統領の麻薬撲滅の推進が、反対勢力の排除に恣意的に使われていたことは驚きでした。いつも素晴らしい作品の紹介有難うございます。また、次回の作品が楽しみです。

 by ネコ

《映画の感想》


この世には、次世代のために、命をかけて守る環境保全活動をしている人たちがいるんだと、改めて認識。日本だと、なんとなく理論が先行し、身体を張った行動までは、少し距離がありそうで。「命がけ」が比喩ではなく、現実という過酷さ。そして大規模な環境破壊で起きる災害は、その原因をつくった人たちから、いちばん遠い人たちが背負わされる理不尽を想像すると、まことに腹立たしい。


 


《もっとも印象に残ったシーン》


森の中で伐採した大木を、さらに切り出しているシーン。こんなジャングルで、どうやって運ぶのかと思ったら、現場で製材?している…。伐る人も捕まえる人も、なんと苛酷か。

 by こーへー

《映画の感想》


悪に立ち向かうのは命がけであることを実感。先進国を目指す上でいかに悪を根絶できるかがカギだと思う。このような違法行為がはびこる国は先進国にはなり難い。


 


《もっとも印象に残ったシーン》


ラスト。解決には程遠い現実が重い。

 by Roux

《映画の感想》


ドゥテルテ元大統領が「麻薬撲滅を遂行するにあたり、麻薬に携わった者を殺害する」という声明記事を読んだ時、国のトップが殺人を仄めかすなどと、一体フィリピンとは、どんな国なんだろうと当時思った。今回デリカドを観て、合点がいった。フィリピンは貧富の差がある事、今も独裁者が居て、権力と暴力で弱い立場にある国民を脅している事。自分と身内だけが好き放題したい事。自然は生き物への最大のギフトで、全ての生き物は恩恵を受けているのに、何故、為政者はこのギフトを未来へ繋げようとしないんだろうか? …フィリピンだけの話ではないですね。「闇は光を理解しようとしなかった」ヨハネ1:5が脳裏をよぎる。


 


《もっとも印象に残ったシーン》


没収したチェーンソウを「もう政府に渡さない」というシーン

 by nojiji

《映画の感想》


フィリピンのパラワン島での厳しい環境活動の現状を描いたドキュメンタリーだ。地方を牛耳る絶対的な権力者が進める観光誘致や農園開発のために違法な森林伐採が横行する。本来なら政府が取り締まるべきだが、政官財が一体なった癒着構造により全く動かない。そんな現実に対して環境破壊を押し止めようと弁護士らの活動家が立ち向かうが、その取り締まる手段は「私人逮捕」なのだ。そんな中、多くの活動家たちが違法伐採者たちの銃で命を落としていく。権力側による妨害活動は彼らを支援する町長選挙においても行われる。買収や警察権力による選挙妨害だけでなく、大統領による脅迫にも追い詰められ職を失う町長。そんな危険な日常や日々の活動を追ったドキュメンタリー。「デリカド」とはタガログ語で「危険」という意味だとか。国際NGOなどの協力での国外からの所謂「外圧」によるアプローチも描かれていた。我々も関心を持ち、協力できることをしなくてはと思った映画だった。


 


《もっとも印象に残ったシーン》


1.最後の「デリカド」の意味がわかったシーン。


2.国際NGOなどの協力での国外からの所謂「外圧」によるアプローチのシーン。

 by よっくん

《映画の感想》


ラストまで観ても救いのない映画。だがそれが今の実態。正義は何処にあるんでしょうかね…。

 by くろねこ

《映画の感想》


環境保護と政治が密接に関わっていることが良く分かる映画でした。ドテルテ政権下でおきていたことをふり返ることができましたが、辛い内容であり、どう整理して良いか分からない映画でもあります。

 by りん

《映画の感想》


知られていない現実を教えてもらいました。とても重要な活動ですが一方で命にかかわることであり応援していいものかも悩むくらいです。

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