柳居議長: 引きつづき会議を開きます。 休憩前の議事を続行いたします。 傍聴人に申しあげます。傍聴席での発言は禁止されておりますのでご静粛に願います。山本知事。
山本知事: 事業者である中国電力からは、上関原発を位置づける重要電源開発地点の指定について現時点に至るまで何ら変更はなく、それを否定する国からの指導等も一切ないとの主張がなされており、実際にも「白紙からの見直し」は具体化しないまま推移しています。
こうした審査の状況等を踏まえ、まず、事業者の主張によって、上関原発が国のエネルギー政策に位置づけられていることを説明できているのかどうかの確認をし、その上で、土地利用計画が確定していることなど、法律上の要件である正当な事由の有無を判断できることになれば、埋立免許権者として、許可・不許可の行政処分ができるとの認識に至りました。
したがって、今後も審査を継続し、事業者に対して、その主張の根幹である、重要電源開発地点に指定された上関原発の位置づけが形式的にでなく、実質的に何ら変わらないことについて、一年程度を期限にさらに補足説明を求めることとしたところです。
(傍聴席で発言する者あり。傍聴席の声に負けじとするかのように、このあたりから知事は声を張りあげる)
山本知事: なお標準処理期間は、申請者に対し、処分までに要する期間の目安として示すものですが、このたびの申請は、エネルギー政策の根本を揺るがす原発事故という特殊事情下でなされたものであり、その期間を超過することもやむを得ないと考えております。
傍聴席: 延ばすな、延ばすな!傍聴席:公約違反!
(傍聴席騒然)
今回の選挙では
その一方で、今回の選挙で注目したもうひとつ、山口県平生(ひらお)町の町議会議員選挙(定数12)では、「町民の安全の観点から、子育て世代の代表としても、上関原子力発電所の建設には反対」と訴えた原まき候補(無所属)が、初めての立候補で606票を得てトップ当選を果たしました。
原発計画については「自分の大事な子どもを危険な目に遭わせたくない。皆さんと同じ想いだと思う。そういう目線でまちづくりを考えたい」と、子育て世代のみならず先輩世代や初めて投票する若い世代にも呼びかけ、浸透したようです。
なお、統一地方選挙と同時に行われた衆院補選(山口2区)では、岸信介と佐藤栄作・両元首相を輩出した保守的な地域で、かつて佐藤・元首相の息子を対立候補にしながら初当選を果たして激震を走らせ、民主党政権で法務相などを歴任した元職の平岡秀夫候補(無所属)と、岸信夫・前防衛相の息子で新人の岸信千代候補(自民党)が大接戦の末、岸候補が議席を得ましたが、得票率は61369票を得た岸さんが52.5%、55601票を得た平岡さんが47.5%と肉薄しており、民意は二分されている状況を示す結果となっています。
山秋 真
『地球号の危機ニュースレター』
No.515(2023年5月号)