「地球号の危機ニュースレター」532号(2024年10月号)を発行しました。

〈アフリカの旅4〉ナミビア首都ウィントフック

ナミビア首都ウィントフックのルーテル教会と独立記念博物館 © 岡部一明

ナミビア首都ウィントフックのルーテル教会と独立記念博物館 © 岡部一明

どうやって行くか

 だが、再び、問題はどうやって行くかだ。首都ウィントフックからは計750キロ。車があっても行くのは難しいようだ。途中で砂利道になる。4輪駆動が望ましいという。ガソリンスタンドもあまりないからタンクでもガソリンを持っていけと書いてある。ウィントフックの北450キロ、グルートフォンテイン(Grootfontein)までは、主要国道B8号線が通るので大丈夫だ。そのちょっと先でR33号線に入り、サバンナ走行になってからが大変らしい。もちろんバスも鉄道もミニバスも乗り合いタクシーも行っていない。飛行機もないし、自転車は問題外。

 ウィントフック中心部に観光案内所があったので、行き方を聞いた。ベテランの係員は、とても難しいと頭をひねり、車をチャーターするほかないだろうと言った。近くの観光業者をわざわざ呼んでくれた。しかし、片道8000ナミビアドル(7万円)という。とてもじゃないが、私には無理だ。

「有料ヒッチハイク」という手

 グルートフォンテインまでバスで行き、その先はヒッチハイクかライドシェアを探す他ない。いろいろ勉強して、ナミビアでは「カネを払うヒッチハイク」、つまり路上でヒッチハイクのように車を停めて、臨機応変にライドシェアにする交通形態が普及しているということを知った。ドライバーも慣れたもので、どうせその目的地に行くのなら、副収入のため客を拾っているらしい。街はずれのガソリンスタンドなどに、車を拾うため乗客が集まる場所があるという。ナミビアだけのものではないが、HitchWikiなどという都市別ヒッチハイク情報のサイトがあるのも初めて知った。

 先進諸国ではヒッチハイクは危険なのであまりやらなくなっている。しかし、途上国では有料ヒッチハイクくらいしか手段がないところもある。困難なルートを何とか行こうとする車にみんなが群らがる。ちなみにナミビアは、モンゴルに次いで世界で2番目に人口密度が低い国だ(31人/km2)。日本の25倍の土地に京都府の人口(250万人)が住んでいる。

ウィントフックの街紹介

ウィントフックの中心にあるオープン・モール、ポスト通り。地元お土産屋さんも屋台を出す。観光案内所もこの左手にある。街のシンボル的なモールだが、隣接して巨大なアメリカ式ショッピングモール(Wernhil Mall)ができたので、勢いをそがれているようだ © 岡部一明

ウィントフックの中心にあるオープン・モール、ポスト通り。地元お土産屋さんも屋台を出す。観光案内所もこの左手にある。街のシンボル的なモールだが、隣接して巨大なアメリカ式ショッピングモール(Wernhil Mall)ができたので、勢いをそがれているようだ © 岡部一明

その先、出たところにインデペンダンス通りがある。街の目抜き通り。こんなサン族民芸品のお店もあった © 岡部一明

その先、出たところにインデペンダンス通りがある。街の目抜き通り。こんなサン族民芸品のお店もあった © 岡部一明

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