HOME <講演会報告>「一緒にやりませんか? 電気代不払いプロジェクト」

<講演会報告>「一緒にやりませんか? 電気代不払いプロジェクト」

最終更新日 2013年 10月 23日 8415 views

image

  9月20日におこなわれた大畑豊さんの講演内容を一部抜粋して報告します。

 

電気代不払いプロジェクト

  官邸前の抗議デモに毎週何万もの人が集まり、再稼動反対の署名が一千万人近く集まっても、なかなか原発推進の政策が変わらないということで忸怩たる思いをしている方も多いと思います。また地理的・時間的な事情でデモに参加できず、何もできない、どうしたらいいという方も多いでしょう。

  そうしたそれぞれ個人がなるべく自分の原発反対の意思を抗議として出せるよう、電気代一時不払いをはじめました。不払いという活動自体は、いわば非暴力直接行動の古典的な活動の一つです。遡ればガンジーやヘンリー・デビット・ソローなどが戦争に反対するため懲役と軍事費分の税金の不払いを実行しています。

 

自動引き落としをやめる

  電気代一時不払いの第一ステップは自動引き落としをやめることです。例えば私たちが、原発止めろ、再稼動止めろと、どんなに抗議をしても、地域独占の電力会社にとっては、選択の自由がない消費者は他社から電気を買うことができないわけですし、どんなに文句を言おうがそのままでは怖い存在ではありません。

  つまり、不買運動というわけには行きませんので、代わりに一時不払いをやろうということです。電力会社にとってみれば自動引き落としをやめられることで、いつ入金があるかがわからなくなります。売掛金が増えてキャッシュ・フローが悪くなり、経営的には痛い。

  また自動引き落としをやめると郵送で振込用紙が送られてきますが、その送金手数料も電力会社持ちです。単純に計算して、振込用紙を送る郵送料が80円、振込手数料が80円とすると合計160円かかります。一時不払い、つまり二度払いすることによってこれが二倍の320円かかります。これを千人一万人十万人が実行したら、送金手数料だけで会社にとっては大きな負担になり、圧力をかけられます。しかも簡単で誰でもできる方法。非常に有効なやり方ではないかと思います。

  料金通知にある各支社・営業所の問い合わせ先に電話をすれば、すぐ自動引き落としから振込み払いに変更することができます。電話の際に「原発には反対です」と一言添えてもいいし、他にも意見を言ってもいいでしょう。

 

image

1円だけ不払いを

  自動引き落としをやめると振込用紙が送られてきます。私たちがおもにやっているのは「1円不払い」というやり方です。郵便局のATMに振込用紙を入れ、金額の確認画面のところで訂正ボタンを押すと振込み金額を自由に変えられます。

  婦人参政権運動などに力を尽くした参議院議員の故・市川房枝さんは1974年、当時自民党に政治献金していた東電に対し、抗議の声をあげ、電気料金一円不払い運動をはじめました。彼女の計算では、東電の電気代は一家庭あたり約一円が政治献金にあたるということで、みんなで1円分を不払いにしようという運動を仕掛けたのです。不払い運動に困った東電は、政治献金をやめざるを得ませんでした。

  また、1円ですと延滞利息がほとんどつきません。東電は発電量の3分の1が原発からの電力といっているので、当初私は請求額から3分の1を引いた金額を振り込んでみました。すると二ヵ月後ぐらいに延滞利息が付きました。最初はそれも原発をなくすための投資だと思っていたのですが、やはり癪に障ります。1円ですとこうした延滞利息もつかず、金銭的な負担なく続けることができます。

  私たちのブログ「なくそう原発、不払いしよう電気代!~電気代不払いプロジェクト~」のアクセス記録をみると、東電や関電の方がよくアクセスしにきていることがわかっています。1円不払いは、つまり反原発であるということがいまや明確に彼らに伝わっており、一時的な不払いの金額は実際いくらでもいいのですが、私たちは1円不払いをおすすめしています。

 

image

加入者負担の振込用紙を使う

  通常、東電から送られてくる振込用紙には東電の口座番号「00150-9-167」と支払金額、バーコードなどが印字されているのですが、東電が発行したものではない、それらの記載のない普通の加入者負担(送金を受けた側が手数料を負担)の赤い振込用紙でも送金できることを、不払いプロジェクトのメンバーの大富さんが発見しました。

  加入者負担の赤い振込用紙は郵便局には置いていませんので普通は手に入れることはできませんが、私たちのブログからダウンロードできるようにしてあります。郵便局で使用できることも確認済みです。この用紙はバーコードなどが入っていないのでATMでは使用することはできません。窓口で支払うことになります。その際の用紙の色は問いませんし、用紙をコピーしたものでも構いません。

  それに実は窓口の方がかえって手数料が高くつくのです。ATMの手数料は80円(東電は大口契約なので70円)かかるそうですが、窓口で手続きすると120円の手数料かかりますので、東電にとってはその分、負担になります。

  東電発行の振込用紙でATMから送金した場合には、読み取ったバーコードの情報だけが東電に送られるので、振込用紙に抗議のメッセージを書き込んでも担当者が直接目にすることはありませんが、窓口経由で行うこの方法ならば脱原発などのメッセージも含めて届けることができます。

  ですので、いま現在はこの方法が一番いいのではと思っています。郵便局のATMで支払えないように、コンビニ専用の用紙しか送ってこないケースなども出てきていますが、振込用紙を使い郵便局の窓口で支払えばまったく問題なく振り込むことができます。ただ、昼間に郵便局へ行けない人もいますので、そういう人のためのやり方はこれからは考えなくていけないと思っています。

 

不払いの後に

  1円少なく振込んだことで、不払い分が発生します。不払い分があると「電気料金お支払いについてのお願い」という通知が、残金1円分の振込用紙とともに届きます。期日までに払い込まないと電気はもう供給しませんとの文句が書いてあります。2、3ヶ月は止められないとは聞いていまして、私の場合も最初のころは期限が過ぎても2週間は止められなかったのですが、二回目以降は期日の翌朝には止められています。

  私の場合は冷蔵庫を使っていませんので、電気を切られてからお金を振り込み、営業所に電話をします。ちなみに、振り込みしたことを電話で伝えないといつまで経っても電気は再開しません。私はその電話のついでにいろいろと抗議をするようにしています。多くの方は電気が止まってしまうと大変だと思いますので、止まる前の適当な時に残りの1円を払ってしまえばいいと思います。

 

image

大きな矛盾に目を向けて

  1円不払いの話をすると、中には、「つまり嫌がらせですね」という方もいます。そうではなく、これは電力会社の姿勢を正すための抵抗運動であって意地悪ではありませんからと説明します。ただ、別にこれだけが正しい方法だということではありませんので、自分の頭で考えた方法で意思を表明すればいいと思います。

  それと、電気として使っているものを一時的とはいえ、払わないなんておかしいじゃないかという人もいて、それは一理あるように思います。しかしながら元々、社会の中で意思表示したり抗議したりというのは、そういう矛盾を必ず孕むものだと思っています。小さな矛盾はあるかもしれませんが、では70京ベクレルもの放射能を垂れ流した東電に対して、まったく捜査の手も入らない、取締役たちが引責辞任したという話もない、そっちの方がよほど大きな問題じゃないかと思うのです。その大きな問題を正すための非常手段であって、電気代を払わないことがいいと言うことではありません。

  なるべくなら遵法的な手段を通して行きたいとは思いますが、過度にマナーを気にしてしまっては何もできなくなってしまうとも思います。この先に問題が出たとしたら、そのときに考えるとのでいいと思っています。

  電気料金を複数回に分けて送金することができるということは、例えば千円の請求に対して1円ずつ千回振り込むということも可能です。実際にメンバーの大富さんは引っ越しのため中途半端な代金になった567円という電気代の請求に対して567枚の振込用紙を作って送金したことがあります。567円の請求に対して、東電が負担した送金手数料はなんと6万円程度になりました。

  ひとりひとりが毎月このような手間をかけることもできませんが、例えば100万人キャンドルナイトのように、例えば3月11日などの特定の日を決め、ある日一斉にやるというのも面白いと思っています。

  不払い運動が一千万人署名に迫る勢いになってくれれば、東電としても譲歩せざるを得ないでしょうし、世界最大の電力会社ですから、その東電が原発を断念したということになれば世界中に衝撃を与えるでしょう。

  それを左右するのは私たちだと思います。何かを変えるために必要なのはデモンストレーションですが、その一方で、相手に損害を与えられる行動としてストライキを打たないといけないと思います。しかもこれは遵法的な方法です。ストライキとデモンストレーションを同時にやっていかないと、どちらか片一方だけでは絶対に勝てないと思うのです。デモをやっている人はすごく多いですが、ストライキの方に気づいている人はとても少ないのが現状です。

  このあいだ福島県二本松の知り合いが、東電に汚染土を返すというデモンストレーションをしたのですが、彼の報告によれば東電の社員は震えていたというのです。ただ、これがもし一千万人の署名を届けても震えはしないだろうと彼は言います。汚染土を福島の人が持ってくるというのはとても大きなインパクトです。私たちの時間もお金も限られているわけですから、なるべく有効な運動の仕方を展開していきたいと思うのです。

  電気代というのは毎月払っているわけですから、支払方法をちょっと変えるだけで、家にいながらにして毎月デモンストレーションができます。敷居も低く、誰も参加できる方法ではないかと思います。ぜひ一緒にやりましょう。(まとめ・花岡英治)

 

講 演:「一緒にやりませんか? 電気代不払いプロジェクト」
講 師: 大畑豊さん(電気代不払いプロジェクト)
開催日: 2012年9月20日(木) 
会 場: 東京ウィメンズプラザ・視聴覚室

 

 

 

企画を評価してください
(0 投票)
カテゴリ: 講演会報告