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<講演会報告>「原子力規制委の断層調査をどう評価すればよいか」

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 2月16日におこなわれた島村英紀さんの講演内容の一部を抜粋して報告します。

 

 現在、原子力規制委員会が原発再稼動の可否を判断する一環として断層調査を行っていることについて、既に科学の領域を超えて政治の問題に入っているように思えます。ただ、地球物理学者、地震学者としての立場から見た場合、原発立地地域に留まらない遥かに大きなスケールの海溝型地震の可能性があることや、日本中いつどこで発生してもおかしくない直下型地震を予測することは殆ど不可能であることをまず指摘しておきたいと思います。このような前提も含めて規制委員会が今後どのようなスタンスで判断を下すかは不明です。活断層に注意を払うことは必要ですが、立地地域周辺の活断層に限定して原発の安全性を議論することは、実際の危険性を矮小化することになり、恐ろしいことです。

 

海溝型地震と直下型地震

 日本は大きなプレートが四つもぶつかっているところで、大地震が起きるのは日本がそういうところにあるからです。日本列島は糸魚川静岡構造線を境に東北及び北海道が北米プレートに乗り、そこから西南日本がユーラシアプレートに乗って分かれています。東北日本を乗せた北米プレートは日本海溝で太平洋プレートに接し、太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込んでいます。太平洋プレートは一年間に数センチの速さで沈みながら北米プレートも引きずり込むので、ここに大きな歪みがたまります。これが耐え切れなくなると、ある時にプレートが突然飛び上がって大地震になります。これを海溝型地震といい、一昨年の3・11東日本大地震や三陸沖地震、宝永地震などはこのパターンで起きています。海溝型地震が起きた翌日からプレートが引きずり込まれて歪みがたまるサイクルが再び始まり、これは少なくとも数千万年は続いていて、これからも続きます。サイクルは普通80年から150年くらいです。発生場所が特定の範囲に絞られることや発生サイクルといった、パターンがある地震だと言えます。

 
<講演会報告>「民主化に向かうビルマが抱える問題とその背景」

12月7日におこなわれた宇田有三さん、中尾恵子さんの講演内容の一部を抜粋して報告します。

image<宇田有三さん>
 ちょっと前まではビルマのことを放送されるときは軍事政権とスーチーさんが闘っているような報道がほぼ8割を占めていました。本当は独裁者トムタンシェを中心とする数人の軍トップがスーチーさんと対決しているという構図であり、基本的には軍と対決していた訳ではありません。これがなかなか報道されなかったという現実があります。今現在は改革派・穏健派といわれるテインセイン氏が大統領です。

 2011年4月1日の補欠選挙でスーチーさんが議員になりました。今まで民主化活動家だったスーチーさんが国会議員になったことで非常に大きな落差があります。国会議員は国の役割を担います。アラン・クレメンツという欧米人の出家したお坊さんが、自宅軟禁中のスーチーさんにインタビューした対話の本があります。もし、あなたが国家の指導者となれば、ビルマですから国軍を動かさざるを得ない場合もあり、それに対してどうしますかと尋ねたところ、状況によっては政府の一員として「そういう決定をする」と答えています。我々も国会議員になったスーチーさんに対する見方を変えないとダメです。今までどおりの人権一本・民主主義一本ではなく、あくまでも国のために行動しているということを見ないといけません。

 

ビルマ(ミャンマー)の歴史

 1948年にイギリスから独立して各地で民族紛争があり、政治家が腐敗して国が回らなくなったときに、ネウイン将軍がクーデタを起します(1962年)。ビルマの軍事政権は実はここから始まっています。その後88年にスーチーさんが登場して、民主化勢力がネウイン将軍のクーデタ政権を倒しました。90年に総選挙を実施したところ軍政は大敗しましたが、軍事政権は政権移譲を拒否して民主化活動家の人たちを逮捕しました。その後タンシュエという上級大将が実権を握ります。

 
<講演会報告>「わが国と世界の人口動向」

 image12月6日におこなわれた石井太さんの講演内容の一部を抜粋して報告します。

 

日本の将来推計人口

 私どもの研究所では、総務省統計局の国勢調査(5年に1回)の集計結果を出発台にして将来人口の推計を行っています。最新の24年1月の将来推計人口は、平成22年国勢調査の結果に基づいて推計されたものです。公的な将来推計人口としては日本で唯一のもので、この結果は年金などの社会保障や、いろいろな政策の分野で活用されます。

 将来人口は人口変動要因である全国の出生・死亡・国際人口移動に仮定を設け、将来の人口規模や年齢構成などについて「コーホート要因法」という方法を用いて推計します。その際の仮定の設定には、実績統計に基づく人口統計学的な「投影手法」を用います。日本の人口推移を長期的期間で見ますと、特に明治以降に急激な勢いで増加しています。将来推計の結果では、これまでの推移とは一転して急激に減少していく見込みで、何十年後かに今を振り返ると、我々はもしかすると日本の歴史上最も人口が多い時代に住んでいたということになるかもしれません。

 
<講演会報告>「中国・反日デモにどう向き合うか!?」

10月9日におこなわれた丸川哲史さんと劉傑さんの講演内容の一部を抜粋して報告します。

 

image<丸川哲史さん>

国内論理は国外では通じない

 9月に入っていろいろ日中間で緊張している中でまず感じたのは、日中間の温度差です。中国のなかでも雰囲気が非常にきつくなっており、このことを契機に日中間の今までの関係構造が変わってしまうということは覚悟しなければならないと思います。日中両国には「棚上げ論」というコンセンサスがありました。1972年の国交正常化以来、国家同士のコミュニケーションの中で、文書化はしていないけれども、それをお互いに守ることによって、いろいろな利益の幅が確保される感覚がずっとあったのですが、尖閣諸島の国有化問題によって、中国側から見るとコンセンサスが一方的に破られたという感覚で見えざるを得ません。ここにかなりギャップがあると思います。石原氏が島を買う意向を示したときに日本政府としては、国家がコントロールした方があの島を無理にいじらない方向で保存できると考えたと思いますが、これは国内的な論理。少なくとも中国側からすれば係争地として考えている領土問題に触れる限り、日本国内の論理が国外的なものに通用する筈がありません。棚上げ論が破棄されたという認識になります。

 

中国政府と民衆の関係

 では政府と民衆との関係は一体どういう風になっているのか。中国側では棚上げ論を破られたという感覚が強く、これは政府の判断でもあり民衆の判断でもあったと思います。中国人の内部的な感覚からすると、政府指導層はもの凄く遠い存在だと思います。しかし、9月18日になって政府が、これ以上デモを加熱させることを思いとどまるようにメールを発信し、公の船を派遣した時からデモ自体は鎮静化していきました。この関係で言えば、デモをやっている民衆の側と政府との関係には、ある種、呼吸があるというか、両者の距離は実はそんなに遠くないとも言えます。見かけと違い、中国内部の政府と民衆の距離については様々な留保が必要です。

 
<講演会報告>「一緒にやりませんか? 電気代不払いプロジェクト」

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  9月20日におこなわれた大畑豊さんの講演内容を一部抜粋して報告します。

 

電気代不払いプロジェクト

  官邸前の抗議デモに毎週何万もの人が集まり、再稼動反対の署名が一千万人近く集まっても、なかなか原発推進の政策が変わらないということで忸怩たる思いをしている方も多いと思います。また地理的・時間的な事情でデモに参加できず、何もできない、どうしたらいいという方も多いでしょう。

  そうしたそれぞれ個人がなるべく自分の原発反対の意思を抗議として出せるよう、電気代一時不払いをはじめました。不払いという活動自体は、いわば非暴力直接行動の古典的な活動の一つです。遡ればガンジーやヘンリー・デビット・ソローなどが戦争に反対するため懲役と軍事費分の税金の不払いを実行しています。

 

自動引き落としをやめる

  電気代一時不払いの第一ステップは自動引き落としをやめることです。例えば私たちが、原発止めろ、再稼動止めろと、どんなに抗議をしても、地域独占の電力会社にとっては、選択の自由がない消費者は他社から電気を買うことができないわけですし、どんなに文句を言おうがそのままでは怖い存在ではありません。

  つまり、不買運動というわけには行きませんので、代わりに一時不払いをやろうということです。電力会社にとってみれば自動引き落としをやめられることで、いつ入金があるかがわからなくなります。売掛金が増えてキャッシュ・フローが悪くなり、経営的には痛い。

  また自動引き落としをやめると郵送で振込用紙が送られてきますが、その送金手数料も電力会社持ちです。単純に計算して、振込用紙を送る郵送料が80円、振込手数料が80円とすると合計160円かかります。一時不払い、つまり二度払いすることによってこれが二倍の320円かかります。これを千人一万人十万人が実行したら、送金手数料だけで会社にとっては大きな負担になり、圧力をかけられます。しかも簡単で誰でもできる方法。非常に有効なやり方ではないかと思います。

  料金通知にある各支社・営業所の問い合わせ先に電話をすれば、すぐ自動引き落としから振込み払いに変更することができます。電話の際に「原発には反対です」と一言添えてもいいし、他にも意見を言ってもいいでしょう。

 
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